2003年6月20日
ブドウの種を飲み込むドイツ人
今の季節物といえばこの地方、フランクフルト近郊、特有のアスパラガス、出来れば農家でその日にとれたものを買いたいものです。そして今はサクランボのおい
しい季節です。日本では高くてとても思う存分食べられませんが、こちらで安くて甘いものが店頭に山積され、地元産は、この1週間からせいぜい10日ほどでしょう。
こ
のサクランボ、ドイツ人も食べるときは種を出しますね。しかし一般に、りんごもブドウも種をだしません、私はこれがなかなか出来ないのですが、ドイツ人の
ブドウの食べ方は丸ごと口に入れ、種は噛下し皮も一緒に飲み込んでしまう。これは考えるに、どうもドイツでは「一度口に入れたものを出すのはマナーに反す
る」といったような、テーブルマナーの不文律があるようです。それでは魚の骨はどうするか、というと、口に入れる事前によく外しておく。全てこんな調子だ
から、この国ではサクランボは高級レストランのデサートにはまず出てこないでしょうね。
子供の頃よく食べた甘くておいしい一位(Eibe)の実は、ドイツでは毒だから食用できないとされています。
しかし毒なのは種であって、実そのものは大丈夫です。これもドイツ人
たちは、ブドウを食べるように、毒のある種を噛んで食べてしまうからいけないのであって、日本的に赤い実だけを食べるぶんには毒ではありません。これはこ
ちらで自分の子供にも食べさせた経験から間違いありません。
ドイツで育った子供をわが国に連れて行ったら、「日本のグレープ
ジュースは葡萄の味がしない」という。あの日本中どんな田舎の道路にも連立する自動販売機の缶入りジュースです。「どうも嘘の味、作られた味」という。そ
の旅行中、知人宅で葡萄を出された時、「ア、日本の缶入りグレープジュースの味がする」。それはムスカートでした。
ドイツで食べられる葡萄は何種でしょうか、リースリング、シャドネー、キアンティー、ボルドー、違ったこれは産地でした。