ドイツの住宅の大きさ
ドイツの住宅の大きさは、1人当たり39.8平米である(全国平均、2001年現在)。日本は30平米くらい。
外国のデータを比較する場合、単純に数字だけを比べるのは、そのデータを算出するに基準が国よって違う場合があるから、誤解につながることが多い。
たとえば住宅数といった場合、なにが住宅として数えられるか。
ドイツでは厨房がなくても住宅として数えられる。お勝手がなければご飯が炊けない国民と違ってパン食には厨房はいらないのであろう。近頃では北向き部屋のみの住宅はドイツでは建設禁止である、そんなことをしたらわが国では家が建たない。
ヨーロッパでは、1住宅には1煙突が必要とされた時期があった、産業革命の急激な都市化があったころで、そのためパリとかロンドンなどでそのころの住宅に、むやみに煙突の多い屋根が見られるのはこのためである。
近年になって日本の住宅事情がよくなって、外国の住宅の大きさ比較を新聞などでしばしば見受ける。しかし、ことに室内に家具を置かない日本の和室と、大きな家具で部屋をうめつくす西洋の部屋とは、平米の単純な比較は、これこそ比較にならないというものであろう。
さて、ドイツの住宅の大きさであるが、これは居住のための広さで、アパートでは階段、廊下は含まれず、計算は壁の仕上げから仕上げまで部屋の実質の大きさ、それに対し日本は壁芯で測る、さらにバルコニーは住宅の面積の半分、高さが1メートル以下の部分は住宅面積に入らない、という基準がある。
またドイツでは集合住宅にも地下室や屋根裏に戸別の収納場所がついているが、これは住宅の大きさには入っていない。
以下、その計算基準である。
ドイツの居住面積の計算方法
計算の基礎 Verordnung ueber
Wohnungswirtschaftliche Berechnungen ( Zweite Berechnungsverornung II.BV), vom 12.10.90 im BGBl
Teil IV Wohnflaechenberechnung,
ァ42 居住面積
1) 住居に関連する面積の合計
2) 間貸しする部分は別途計算とする
3) ボーンハイムなどの1施設を共同で使用するものの場合は、一般および居住者が共同使用する部屋を加える。
4) 下項目にあげるものは居住面積に含まれない
1. 住宅付属室、すなわち地下室、洗濯室、住宅外部に設置された物置き、屋根裏室、乾燥室、小屋(木造)、ガレージおよびそれに類する部屋
2. 管理、経営室、飼料室、食料貯蔵室、パン焼き室、燻製室、家畜小屋、物置およびそれに類する部屋
3. 建設法(Bauordnungsrecht)に合わない部屋
4. 事務室、商店
ァ43 床面積計算
1) 計算基準は躯体からでも完成壁面からでもよいが終始一貫していること。
2) 完成寸法は壁から壁までを測り、壁の仕上げ、様相、巾木、暖房器具その他を無関係とする。
3) 躯体寸法で算出した場合はその数値の3%減とする。
4) 以下の項目は総面積から差し引く:
1. 煙突、その他壁の突起、天井高のある独立柱、その他床面積が0.1㎡以上のもの。
2. 3段以上の階段とその踏み段
5) 追加する面積
1. 窓などの下の刳り込み凹部が床まであるもので、0.13mより深いもの
2. 出窓、組み込みタンスなど高さが2m以上の物、ただしドアの凹部分は床面積に加えない
6) 計算が設計図面の躯体で行われたものはそれが決まりとする(実測は不要)。施工が設計と異なる場合、変更図面から計算する。
ァ44 床面積の計算基準
1) 以下の居住面積を計算する
1)100%:部屋の床面積のうち高さが2m以上のところ
2)50%:部屋の床面積のうち高さが1m以上で2m以下のところ
サンルーム、プールとそれに類する部屋で全面が閉じられている部屋
3)0%:部屋の床面積のうち高さが1m以下のところ
2) その住居にのみ属しているバルコニー、ロジヤ(屋根付きバルコニー)、屋上テラス、屋根のある屋外座席施設は50%まで追加
3) (省略)
(2004年1月、 翻訳、文責 春日井 道彦)